日本補綴歯科学会雑誌
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高フィラー型硬質レジンの色調に関する研究
オペーク層の設定が色調発現に及ぼす影響
島 弘光川本 善和根本 美佳檜山 礼秀今 悟河原 一茂島田 和基桟 淑行五十嵐 孝義
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2003 年 47 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

目的: 本研究の目的は, 高フィラー型硬質レジンのジャケットクラウンにおけるオペーク層の設定が, 色調発現に及ぼす影響を明らかにすることである.
方法: 高フィラー型硬質レジンとしてエステニアとアートグラスを用い, それぞれのオペーク色レジンにより50, 100, 150μmの厚みのオペーク試料を作製し, 色調遮断性の測定を行った.また, デンティン色レジンにより作製したデンティン試料と, オペーク色レジンおよびデンティン色レジンを用いて作製した積層試料の色調を測定し, 両者の色差を算出し, オペーク層の設定が色調発現に及ぼす影響を調べた.
結果: オペーク試料の色調遮断性は, 厚さ50μmのエステニアオペークを除くすべての試料において認められ, 厚みを増すごとに強くなり, 同一の厚みではアートグラスオペークが強い色調遮断性を示した.積層試料の色調については, すべての試料において色調に差が認められ, オペーク層の厚みを増すごとに明度と彩度が上昇し, 色差が大きくなる傾向が認められた.
結論: 高フィラー型硬質レジンのジャケットクラウンの応用時に, オペーク層の設定の有無により色調発現に差が生じ, オペーク層を薄く設定するほどその差が小さくなるが, 材料によってその傾向が大きく異なることが明らかになった.

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