日本補綴歯科学会雑誌
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オーバーデンチャー
過去から未来への展望
長澤 亨
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2004 年 48 巻 3 号 p. 344-353

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抄録

古くからオーバーデンチャーはごく当たり前の補綴物として作られ続けている.恐らく将来も作られるであろう.一般に歯科補綴物の設計は術者に任されている.どの設計がよかったかは何年も経た予後を判定しないとわからない.オーバーデンチャーにもメリットとデメリットがある.オーバーデンチャーには限らず, 何事においてもその比重を考えて着手しなければならない.オーバーデンチャーにも維持装置が必要な場合と不用な場合がある.もし顎堤のしっかりした上顎オーバーデンチャーでは維持装置が不用の場合があるし, 感覚的に無口蓋義歯を患者が望む場合は何らかの維持装置が必要になろう.従来オーバーデンチャーによく使用されていたStud atatchment類は, 現在はほとんど磁性アタッチメントに切り替わっている.ご存じのように磁性アタッチメントにはそれなりの利点がある.最近はインプラント手技が見直され, 年齢的にも幅広く行われている.インプラントに磁性アタッチメントを併用する方法が最近の流行になっている.特に顎堤状態のよくない無歯顎の下顎にインプラントを植立できれば, 患者にとってこのうえない福音であろう.さらに磁性アタッチメントでインプラント義歯を維持できれば最高である.今後はインプラントに磁性アタッチメントを併用したオーバーデンチャーが多用されるであろう.

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