2006 年 50 巻 3 号 p. 363-369
本稿ではまず歯科補綴学における研究の抱える問題点を整理し, 学問分野としての歯科補綴学のあり方について述べた. つぎに歯科補綴学の研究が臨床医学として進むべき方向性を (1) 従来の学問分野の体系化,(2) 既存の技術を発展する形での, より快適なより審美的な補綴治療の推進,(3) 高齢者, 要介護高齢者を対象とした摂食・嚥下・言語リハビリテーションと口腔ケアへの寄与,(4) トランスレーショナルリサーチの推進の4つに分け, それぞれの意義を説明した. 最後に, 輝ける歯科補綴学にするための学会の行動要件を提案した.