2006 年 50 巻 3 号 p. 441-444
症例の概要: 患者は20歳女性.上顎左側中切歯部の外観不良を主訴に来院した.
考察: 外観不良を改善するためには, 補綴装置を再製するだけでなく, 歯間乳頭の再建が必要と考え, 上顎左側中切歯の補綴処置のみでこの両方の問題を解決することを試みた. この症例では, プロビジョナルレストレーションの隣接面および歯肉縁下の形態のラボサイドへの伝達とその方法が, 非常に重要であることが示された.
結論: 単冠による補綴治療のみで歯間乳頭を再建させる方法は, プロビジョナルレストレーションの段階で隣接面および歯肉縁下の形態を決め, それを最終補綴の形態に反映できれば, 十分に臨床応用が可能であることが示唆された.