日本補綴歯科学会雑誌
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歯周外科を併用し顆頭の運動経路に調和した補綴物を装着した1症例
藤林 晃一郎
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2006 年 50 巻 3 号 p. 445-448

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抄録

症例の概要: 多数歯にわたる歯周疾患, 歯肉縁下う蝕, 不良修復物・補綴物による咬合異常を, 歯周外科処置後に下顎頭の運動経路から求めたオクルーザルガイダンスに従って咬合を再構築し, また補綴物歯頸辺縁のエマージェンスプロファイルを歯周組織と調和させた形態で回復した.
考察: 顎関節内部構造に対応した適切なアンテリアガイダンスにより臼歯部の即時離開が行われる様な咬合様式を与えることによって, 歯周組織の破壊を招くことなく, 顎関節との調和を保って, 長期的に安定した状態が継続できているものと考える.
結論: 顎関節内部構造に対応したオクルーザルガイダンスの付与が, 顎関節, 歯, 歯周組織を安定した状態で維持させる上で重要である.

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