2026 年 4 巻 p. 69-77
脳腫瘍患者は、腫瘍の部位や治療に伴う有害事象により多様な症状を呈し、これらは患者のquality of life (QOL)に著しい影響を及ぼす。特に悪性神経膠腫や再発症例ではQOLの低下が顕著であり、神経膠腫患者では無増悪生存期間中であっても約半数がQOLの低下を経験する。そのため、脳腫瘍患者では生命予後の延長のみならず、QOLの維持・向上が重要である。患者のQOLを効果的に維持・向上させるためには、診断時から終末期まで疾患の軌跡全体を通じた包括的支援が求められる。リハビリテーションは多面的な機能改善に寄与する介入であり、QOLの維持・向上に有効である可能性がある。しかしながら、その有効性を裏づける客観的エビデンスは限定的である。今後はQOL評価尺度や評価時期の標準化、適切な分析方法の確立とともに、リハビリテーション介入の有効性を検証する質の高い研究の蓄積が不可欠である。