2026 年 4 巻 p. 51-59
【目的】膵癌術後1年間の骨格筋量指数(SMI)および筋質の経時的変化と、SMI変化に関与する因子を検討した。
【方法】膵癌41例を対象に、術前・術後2週・3ヵ月・1年のCT(L3単一スライス)よりSMIと筋質(平均 Computed tomography attenuation Value(CT値)、ヒストグラム解析)の縦断的変化を評価し、SMI変化率の関連因子を検討した。
【結果】SMIは術後1年間にわたり持続的に低下した。一方、筋質は術後2週で一時的に低下後、1年で回復傾向を示した。平均CT値のみでは筋質変化を十分に捉えられなかったが、ヒストグラム解析では正常筋に相当するとされるHounsfield Unit帯割合が術後1年で増加した。SMI変化率には術後3ヵ月Prealbuminが独立して関連した。
【結論】膵癌術後では筋量低下が遷延する一方、筋質は回復傾向を示す可能性があり、ヒストグラム解析は筋質変化の評価を補完する可能性が示唆された。また、術後3ヵ月Prealbuminは、栄養状態や炎症を含む複合的な生体状態を反映し、SMI変化率と関連する可能性が示唆された。