2020 年 20 巻 1 号 p. 89-94
本研究の目的はA大学看護学部の基礎看護技術演習として導入しているパフォーマンス評価と,学生のスキル(社会的スキル,批判的思考態度,援助的コミュニケーションスキル)との関連を明らかにすることである.看護学部1年次生114名を対象者とし,パフォーマンス評価得点と3つのスキル得点を収集した.分析はパフォーマンス評価得点で対象者を高低群のグループに分類し,各スキル得点の差と各変数間の相関関係を分析した.各スキル得点の差は社会的スキルと援助的コミュニケーションスキルにおいて,有意に高群が高かった(p<.05).批判的思考態度では有意な差はみられなかった.また,パフォーマンス評価得点と社会的スキル,援助的コミュニケーションスキルとの間で弱い正の相関関係を認めた(p<.05).結果からパフォーマンス評価得点が高い学生は社会的スキル,援助的コミュニケーションスキルも高いことが示唆された.