〔目的〕壮年期のがん患者を支援する外来看護師たちが診療科を越えて語り合う取り組みがどのように進展するのかを明らかにする.
〔方法〕アクションリサーチを用いた質的記述的研究である.11診療科の外来看護師25名に対し,13か月にわたり〈ケアを語る会〉の開催を全18回とインフォーマルインタビューを28回行った.〈ケアを語る会〉の逐語録とフィールドノーツを重ね合わせながら質的に分析した.
〔結果〕取り組みの進展は6つの局面が明らかになった.個々の看護師が壮年期がん患者に関わってきた体験に対峙して,葛藤の共有から始まった.〈ケアを語る会〉で「気になる」患者について診療科を越えて語り合うことへと進展した.やがて看護師たちは診療科を越えたチームワークの手ごたえを得て,日々の実践を皆で捉え直しつなぐ役割を見出していった.
〔考察〕外来看護師たちが気づいた「気になる」ことを手がかりとして,診療科を越えて語り合いつないでいくことが壮年期の患者を支援する上で重要であることが示唆された.