蘇生
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原著
若年者の突然死 心臓震盪
輿水 健治
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2009 年 28 巻 2 号 p. 87-94

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抄録

 心臓震盪が心停止の原因と考えられる症例(25例)を集積し,その発症状況,年齢,予後を調査した。衝撃の原因は野球のボールが10例と最も多く北米例と同一傾向であるが,北米では報告がないサッカーボールや交通事故による胸部打撲などの発生例がみられた。年齢分布は北米と同様で,22例が18歳以下であった。予後は,社会復帰が9例,脳障害が残存したものが1例,死亡が15例であった。心電図が確認できた症例は16例あり,14例が心室細動,1例が心室頻拍,1例が心静止であった。心室細動の14例で電気的除細動が実施され,8例が社会復帰した。もう1例はbystander CPRのみで自己心拍が出現し,社会復帰できた。社会復帰例はいずれもbystander CPRがなされており,bystander CPRと電気的除細動の重要性を示している。

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© 2009 日本蘇生学会
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