蘇生
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症例報告
巨大腹部腫瘍摘出中に心室細動を繰り返した一症例
小玉 早穂子安達 真梨子佐藤 浩司木村 哲西川 俊昭
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2015 年 34 巻 1 号 p. 28-31

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抄録

 症例は56歳の男性。巨大副腎皮質腫瘍摘出術が予定された。肝右葉浸潤および下大静脈圧排が認められ,これらを一塊に切除するためバイオポンプを用いた体外循環下に手術を行う計画であった。肝切離開始20分後より一過性のST変化が出現し,経過観察中に突然心室細動に移行した。除細動および薬物投与により一旦は洞調律に復帰したが,その後も心室細動など様々な不整脈が繰り返し出現した。手術中止も検討されたが,人工心肺を用いた補助循環に変更し手術は続行され,終了した。心室細動発生の原因として循環血液量減少からの心筋虚血の可能性が最も高いと推察されるが,電気メスの影響や空気塞栓等その他の誘因も考えられる。

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© 2015 日本蘇生学会
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