2018 年 37 巻 1 号 p. 12-15
気管挿管困難な患者について,前期群(2004年7月から2008年5月)と,後期群(2012年4月から2015年5月)の2群に分け,症例数,麻酔導入から気管挿管までの時間などについて検討した。気管挿管困難な患者の定義は,麻酔導入から気管挿管までに30分以上かかった症例とした。該当症例数は前期群では10,746例中小児2例,成人7例の計9例で,後期群では10,682例中成人2例であった。後期群における症例数の減少は,様々な気管挿管用デバイスが発売され使用しているためと思われる。これらのデバイスは,気管挿管をする上で非常に有用であるが,すべての症例で気管挿管が容易になるわけではないことを常に認識しておく必要がある。