蘇生
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原著
心肺蘇生術のスキル保持に必要な学習頻度と関係因子の検討
中木村 和彦佐伯 仁佐伯 真理子白澤 由美子中野 智子
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2021 年 40 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

36名を,4,6,12ヶ月の3群に分け,一次救命処置(BLS)講習受講後,傷病者の虚脱発見から心肺蘇生とAEDによるショックまでの時間(BLS時間)と50回連続の胸骨圧迫の質の適切性を調べた。初回講習後,4,6ヶ月群は,それぞれ4,6ヶ月間隔で,スキル保持の評価と簡単な講習を行い,12ヶ月後に全群スキル保持の程度を調べた。

 12ヶ月後の胸骨圧迫の質に群間差はなかったが,BLS時間は,12ヶ月群が他の2群よりも有意に長かった。4ヶ月群ではBLS時間に有意な経時変化を認めなかったが,6と12ヶ月群のBLS時間は1年後有意に延長した。

 BLSのスキル保持には4ヶ月ごとに講習を受ける必要がある。

キーワード:心肺蘇生術,一次救命処置,反復講習,スキル保持,胸骨圧迫

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© 2021 日本蘇生学会
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