ショック傷病者に対する病院前静脈路確保が救急救命士の特定行為に追加され,その活動の質は傷病者の転帰に影響する因子として注目されている。今回,活動の質を評価することを目的に,神戸市消防局データベースよりショック傷病者に対する静脈路確保成功率と現場滞在時間を算出した。成功率は外因(傷病者)80%,内因70%であった。外因の処置成功を処置未実施と比較すると,現場滞在時間は延長しなかった。神戸市では外因症例で病院前診療が介入する頻度が高く,救命士が病院到着まで対応する傷病者は内因症例が多い。地域性により結果と問題点が異なるため,地域ごとにデータを示していく必要がある。