蘇生
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パルス式色素希釈法による手術患者の循環血液量測定
国広 充宮崎 孝尚石田 和慶河田 竜一中木村 和彦坂部 武史
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1999 年 18 巻 2 号 p. 122-124

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抄録

予定手術患者42名 (男24名, 女18名, 19~74歳, ASAPS1~2) の手術室入室時の循環血液量 (CBV) を測定し, CBVと体重, 体表面積 (BSA) の相関を求め, CBVと体重あたりのCBV (CBV/W) を性別, 年齢別に比較した。CBVはインドシアニングリーン希釈法で測定した。CBV, CBV/Wは, 4.7±1.1l, 81±18ml/kg (平均±標準偏差) であった。CBVは体重, BSAが大きいほど高値を示す傾向があるが, 相関関係は弱く (それぞれr=0.494, P=0.0009, r=0.557, P=0.0001) , 最大6.5l程度であった。CBVは男性で有意に高値を示したが, CBV/Wには性別, 年齢別の有意差はなかった。薬物投与量は体重を指標として決定することが多いが, CBVの測定によって適切な投与量の決定が可能となる。この方法は低侵襲で, ベッドサイドで簡便に反復でき, 従来の測定法の結果とよく一致するといわれ, 臨床で有用と思われる。

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© 日本蘇生学会
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