抄録
酵素電極法と酵素比色法による簡易血糖測定器2器種の血糖測定値の精度を, FIO2=0.33 (n=31) , 0.50 (n=32) と1.0 (n=25) の3とおりの吸入酸素濃度で比較検討した。対照として血液ガス分析装置 (中央検査部での血糖測定値との相関係数r=0.995) による値 (対照値) を用いた。各吸入酸素濃度で両測定法の値はともに対照値と強い正の相関関係を示したが, 残差絶対値は酵素電極法の方が酵素比色法よりも有意に低い値を呈した (Wilcoxonの符号順位和検定) 。すなわち, 両測定法とも吸入酸素濃度の影響を受けにくいが, 酵素電極法は酵素比色法よりも対照値との誤差が有意に小さかった。