蘇生
Online ISSN : 1884-748X
Print ISSN : 0288-4348
ISSN-L : 0288-4348
Dumon-Harrell Universal Bronchoscope挿入中に換気不全に陥った症例
杉内 登堀口 哲男中川 恵理大塚 敦子立石 浩二青木 正
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 20 巻 1 号 p. 58-60

詳細
抄録

食道癌の浸潤により左主気管支狭窄をきたした67歳の男性に, 全身麻酔下にDumonチューブ挿入が予定された。麻酔導入後, Dumonチューブを留置するための専用硬性気管支鏡であるDumon/Harrell Universal Bronchoscope (DHUB) を患者に挿入した。その直後より換気不能となり, SPO2が54%まで低下した。DHUBを抜去し, 気管支ファイバースコープ (FOB) で粘膜組織塊と血液凝固塊が左主気管支狭窄部に嵌入しているのを認めた。ただちに高頻度ジェット換気を施行し, SPO2は改善した。換気不能の原因はDHUBを挿入した際, 気管膜様部の粘膜を削り, それが脱落して血液とともに左主気管支狭窄部を閉塞したためと考えられた。粘膜組織塊を除去し, 血液を吸引した後は特に問題なく, Dumonチューブ挿入に成功した。

著者関連情報
© 日本蘇生学会
前の記事
feedback
Top