2001 年 20 巻 2 号 p. 183-186
心停止 (心室細動) から心拍再開まで40分以上を要しながら, 完全社会復帰した院外心停止を2例経験した。 [症例1] 15歳男児が体育館で心停止となり, 目撃した担任教師により一次救命処置を開始された。救急隊到着時には心室細動を認め, 心臓マッサージを行いながら当センターへ搬送された。二次救命処置により, 心停止から約45分後に洞調律に復帰した。 [症例2] 52歳男性が自宅で心停止となり, 訪問していた知人により一次救命処置を開始された。救急隊到着時心室細動を認め, 救急救命士による除細動施行, ドクターカー出動による現場での二次救命処置により, 心停止より約54分後に洞調律に復帰した。
完全社会復帰した2症例に共通する点は, 目撃者により早期から一次救命処置が行われた点である。一次救命処置の重要性と, その一般市民への啓蒙と普及の必要性を認識した。