蘇生
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硫黄入浴剤服用による中毒死の1症例
森近 雅之御村 光子井上 光並木 昭義
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キーワード: 石灰硫黄合剤, 入浴剤, 中毒
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2002 年 21 巻 2 号 p. 35-37

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抄録
硫黄入浴剤服用による中毒症例を経験した。57歳女性。入浴剤六一〇パップを約200mL服用し, 約1時間後に救急搬送された。来院時, 意識レベルはJCS-II-30・せん妄状態で著明なチアノーゼ, 過換気と代謝性アシドーシスを認めた。胃洗浄施行後, 精神科病棟に入院させた。その後呼吸不全, ショックとなり, ICUに収容した。人工呼吸下に再度胃洗浄行い, 活性炭投与, 強制利尿等を施行した。硫化水素 (HS) 中毒に対する特異療法としてニトログリセン持続静脈内を投与開始したが, 来院17時間後に死亡した。六一〇ハップは広く市販されているが, 服用時の毒性については知られていない。今後市民への啓発等の対応を要すると考えられる。
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