蘇生
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救命救急センターにおける縊頚症例の現状
清水 敬樹杉田 学横手 龍関井 肇三宅 康史坂本 哲也清田 和也
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2004 年 23 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

2年間の縊頚44例を対象とし年齢, 性別, 精神科受診歴, 縊頚形態, ICU入室率, 転帰などを検討した。
縊頚44例中, 来院時心肺停止 (CPAOA) は36例で4例 (11%) が心拍再開したが2週間以内に全例死亡した。精神科通院歴があるのは17例 (47%) で, 13例がうつ病であった。非CPAOA8例は全例が入院, 7例が社会復帰した。
心拍再開した4例は全例死亡しておりそのうち3例は脳死に陥っており, 縊頚CPAOAは予後不良と考えられた。通常の蘇生後脳症との差は, 発見までの時間の長い点, もう一つは椎骨脳底動脈領域も完全閉塞し, 低酸素に強い脳幹もdamageが大きいことが関係している可能性がある。非CPAOAは8例中7例が, 社会復帰しており, 早期発見, 及び地域精神衛生活動が予後を向上させると思われる。

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