蘇生
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腹腔鏡下胆嚢摘出術中における酸化ストレス指標としての尿中8-ヒドロキシデオキシグアニジン (8-OH-dG) の推移
金田 徹関 博志勝又 澄
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2006 年 25 巻 1 号 p. 12-16

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抄録

8-ヒドロキシデオキシグアニジン (B-OH-dG) は活性酸素によるDNA損傷のマーカーとして考えられている。今回手術侵襲, 麻酔と酸化ストレスとの関連を検討するため硬膜外麻酔併用プロポフォールTCI麻酔下腹腔鏡下胆嚢摘出術 (Lap-C) 5症例の尿中8つH-dGをクーロアレイメディカルシステムを用いて測定した。採尿は導入直後, 気腹5分, 30分後, 手術終了時, 手術翌朝とした。8-OH-dG値は5症例でばらつきが大きく, 気腹に伴う大きな変動はなく経時的にはおおむね同様に推移した。Lap-C中の酸化ストレスはさほど大きくないと考えられ, 適切な深度の麻酔が手術侵襲による酸化ストレスを抑制させた可能性が考えられた。すなわち十分な深度の麻酔は抗酸化作用を持つ事が示唆された。

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