2013 年 52 巻 4 号 p. 499-505
通年性のアレルギー性鼻炎と診断された患者を対象に,日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ),アレルギー性鼻結膜炎QOL調査票日本語版(RQLQJ)の両質問票を実施し,両者を比較した。JRQLQ,RQLQJはすべての領域で有意な相関を示し,総JRQLQスコアと総RQLQJスコアでも同様であった。領域別では鼻症状が強い相関を示した。また両調査票の最も異なる点である睡眠の評価に関しても有意な相関関係がみられた。また通年性鼻炎で最も問題となる鼻閉について,睡眠,日常生活と検討した。鼻閉が増悪するにつれて睡眠,日常生活に支障を及ぼしていることがいずれの調査票も示唆された。RQLQJにおいて,以前Okudaらによって報告されている花粉症患者スコアと,今回の通年性鼻炎患者のスコアを比較したところ,通年性鼻炎患者は全般的に低い傾向がみられた。今回の検討より通年性鼻炎患者に対してもJRQLQとRQLQJは有意な相関がみられ,かつJRQLQは,RQLQJに比べ簡便で有用性も高く現状の把握に適していることが示唆された。