日本鼻科学会会誌
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原著
鼻中隔に発生した血管平滑筋腫例
北村 剛一矢富 正徳櫻井 恵梨子永井 毅鈴木 衞
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2014 年 53 巻 4 号 p. 561-565

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抄録

重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)に対する治療には,経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal continuous positive airway pressure: nCPAP),口腔内装具や外科的手術があるが,一般的には,nCPAPを行うことが多い。今回,nCPAP治療開始後に鼻中隔に発生した血管平滑筋腫の1例を経験したので報告する。症例は65歳の女性。重症OSASのためnCPAP治療を開始3か月後に反復する鼻出血を主訴に当科受診となった。鼻中隔左側前下方に腫瘤があり,生検の結果は血管平滑筋腫であった。血管塞栓術を施行せずに内視鏡下に摘出が可能であった。発生要因としてnCPAP治療が考えられた。nCPAP治療を行う際は,鼻腔を含めた上気道の観察が重要である。

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© 2014 日本鼻科学会
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