日本農村医学会雑誌
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原著
無症候性HCVキャリアのRIBAテストIII; NS5抗体測定の意義について
湊 志仁望月 菜穂子小渋 啓治服部 光治椎貝 達夫
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2005 年 54 巻 4 号 p. 640-643

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抄録
 RIBAテストIII; NS5抗体の有無を,ALT正常,HCVセロタイプI型のRNA陽性者31例について測定し,平均3年間追跡検討した。その結果,NS5抗体(-)は22例,NS5抗体(4+)が9例で,これは対照とした40IU/l<ALT<100IU/lC型非活動性慢性肝炎25例のNS5抗体(-)3例,NS5抗体(4+)22例の結果とχ2検定で有意の差があった。累積ALT正常値維持率について,NS5抗体(-)であった22例と,NS5(4+)であった9例を,Kaplan-Meier法で検討すると,Log-rank検定で,NS5抗体(-)群が有意に高率であった。従ってRIBAテストIII; NS5抗体陰性無症候性HCVキャリアの臨床的マーカーになり得ると考えられた。
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© 2005 一般社団法人 日本農村医学会
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