日本農村医学会雑誌
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原著
外来患者に対する有効かつ安全ながん化学療法に関する研究 (第1報)
――有効的な病床利用に対するがん外来化学療法室の開設の影響――
米山 英二間瀬 悟吉田 浩大平 勇二新家 弘誠都築 和久村越 みづほ中村 和行新井 麻紀子澤田 和久勝見 章男
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2008 年 57 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

 安城更生病院の外来がん化学療法室は,外来患者のために安全かつ有効的な化学療法を導入することを目的として,2006年8月に開設された。しかしながら,外来化学療法における安全性および有効性はまだ十分に検証されていない。今回われわれは,当院においてがん外来化学療法を導入することに対する有効性を明らかにするためにこの研究を行なった。調査項目として外来化学療法を受ける患者数の推移,在院日数の変化,救急車で受け入れた患者数の変化,病床稼働率の変化および使用頻度の高いレジメンの推移を含めた。
 この結果,2006年8月に外来がん化学療法室開設以来,外来がん化学療法室へ訪れる患者の増加に伴って,救急車によって受け入れられた患者数は明らかに増加した。そして在院日数も徐々に短縮した。加えて,病床稼働率は外来化学療法室の開設によって,明らかな影響を受けなかった。また,高頻度に使用される化学療法レジメンは9つであった (全レジメンの64.2%を占めた)。
 これらの結果は,今後当院で外来がん化学療法を促進していくにあたり,有用な知見を与えた。

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© 2008 一般社団法人 日本農村医学会
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