抄録
当院のニアミス・ヒヤリ・ハット報告件数を領域別分類に見ると,転倒・転落に関する報告が第1位を占めている。
当病棟においても小児の転落事故は,過去5年間で年間10例程度経験していた。転落に関する説明は,乳幼児の家族を対象に入院時オリエンテーションで実施しているが,内容は看護師の主観に任されていた。今回小児用の転落アセスメントスコアシートと予防策を作成・活用した結果,20代の看護師において,観察の視点,指導内容に変化が見られ,月齢や年齢による児の発達段階や,特徴を加味した観察・指導ができるようなった。また,同一のパンフレットを使用することで,育児の経験の有無,小児科経験年数に関わらず,指導への自信にもつながった。
このことから,観察の視点・指導内容の統一が,20代の看護師において,看護の質の確保につながったと言える。