2010 年 59 巻 4 号 p. 509-512
A病院ICUにおいて重症・救急患者家族アセスメントツール (CNS-FACE) を標準的なツールとして用いることで,スタッフの家族援助に対する認識と実践の変化を明らかにし,今後の家族援助の手がかりを得たいと考え研究を実施した。
ICU勤務の看護師28名を対象とし,事前にCNS-FACEについて理解を深めるため説明会を開催。CNS-FACEを用いて,ニード・コーピングを把握する重要性を伝えた。看護研究メンバーが無作為に選出した患者家族に対し,CNS-FACEを用いて客観的アセスメントをスタッフに依頼。実施後にアンケートを配布し,看護師の認識の変化を調査した。CNS-FACE施行後,家族との関わりに変化があったと答えたスタッフは看護師経験年数1~3年目100%,4~6年目64%,7年目以上50%であった。CNS-FACEの46項目を把握して関わることで,積極的な介入意識を持つことができたと考える。その結果,経験年数に関わらず,看護者の家族看護に対するストレスの軽減も図れ,家族看護に対する認識の変化をもたらすことができたと考えられる。1~6年目の看護師はニードやコーピングを客観的に得ることができ,家族看護に対する認識の変化をもたらすことができた。7年目以上の看護師における認識の変化は50%であった。CNS-FACEの導入は,6割以上のスタッフが,家族看護に対して有用だと認識した。