日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
摂食機能療法への取り組み
千田 恵子佐藤 敏光藤原 香織
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2013 年 62 巻 1 号 p. 34-40

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抄録

最近,摂食・嚥下障害を有する患者に対する口腔ケア,嚥下体操,摂食訓練を含む摂食機能療法の必要性が注目されるようになってきた。平成18年4月の診療報酬改定では,3か月以内の患者では算定回数の制限が廃止され,患者により良く関わることが報酬として評価されることになった。当病棟は特定リハビリテーション病棟であり,これまで脳卒中患者で摂食・嚥下障害の患者に摂食機能療法を行なっていたが,担当者の知識不足などから自己流の簡単な方法で行なっており標準化されていなかった。今回,病棟スタッフの摂食機能療法に対する意識調査により現状を分析し,それを基にスタッフが不安に感じている項目の手順や方法と,観察項目を明記した記録用紙を作成した。また,唾液腺・口腔内・顔面マッサージ,嚥下体操などの実技の勉強会を開催し,その内容を写真入りで載せた小冊子のパンフレットを作成し,専用ワゴンに常備した。その結果,標準化した摂食機能療法を継続的に行なうことが可能となり,対象者の口腔環境の回復,口腔機能の維持・回復につながり,摂食・嚥下障害患者の食べる楽しみへの意欲や自信の向上に寄与することが示されたので報告する。

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© 2013 一般社団法人 日本農村医学会
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