2016 年 65 巻 2 号 p. 167-171
各都道府県において,地域医療構想(ビジョン)の策定に向けて動き出している。この構想には,団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者を迎える2025年に向けて,病床の機能分化・連携を進めるため,データ分析による医療機能ごとの医療需要及び病床必要量の推計とともに,目指すべき医療提供体制を実現するための施策が盛り込まれる。 秋田県においても,病床機能の分化・連携,在宅医療の充実,医療従事者の確保・養成等の施策について,各地域において協議が進められているところである。 秋田県の医療提供体制の課題について述べるとともに,地域医療構想策定のベースとなるデータ分析や,各地域における協議状況を踏まえ,人口減少と著しい高齢化が進行する状況の中で,将来の地域の医療・介護ニーズに対応した医療提供体制の在り方等を考察しながら,地域医療構想の策定状況について述べる。