抄録
患者は66歳の女性。46歳で子宮筋腫で子宮摘除術を受け,56歳時頃から腟断端脱で悩んでいた。2013年1月,64歳で排尿困難のために尿道カテーテルが留置されていた完全腟断端脱に対して経腟メッシュ手術を施行した。術後,腟断端脱は治癒したが,高度な尿失禁があり,2013年6月,経閉鎖孔テープ手術を行ない,3か月間は尿禁制であった。しかし,尿道口からの膀胱内反が顕著となり,同部の痛みと尿失禁の再発もあり,2014年11月,尿道形成術と腹直筋筋膜スリング手術を行なった。術後は膀胱内反が治り,自排尿が可能で尿禁制となり,満足すべき状態である。