日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
低照度から高照度への変化が早産・低出生体重児に与える影響
渡邊 智香佐藤 麻由
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2017 年 65 巻 5 号 p. 1034-1038

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抄録

 NICU では夜間の処置時は処置灯を使用する為,急激な照度変化がある。そこでA 病院の処置灯での低照度から高照度への照度変化による早産低出生体重児への影響について30名を対象に処置灯の光を照射前の児の状態と10秒間光を照射後の児の状態をストレスサイン評価表を使用して比較した。
 SpOは,下降率が0.6%あり,有意差があった。また,高照度の時に,多呼吸や短い呼吸休止があり58%の児にSpOの下降があった。本研究では,自律神経系のストレスサインは,無呼吸,多呼吸,しゃっくり,驚愕,ぴくつき,あくび,ため息。運動系のストレスサインは,上下肢伸展,握り拳,手を開く。状態系のストレスサインは,声を出す,しかめ面,開眼(睡眠と覚醒状態の急激な変化)があった。高照度にすることでストレスサインが出現し,一時的に呼吸数を抑制して吸気時間が短くなり,呼吸時間全体も短くなることで呼吸数が多くなり,58%の児のSpO下降がみられた。また,照度変化は自律神経系だけではなく全てのストレスサインに影響していると考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本農村医学会
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