2017 年 65 巻 6 号 p. 1157-1167
画像読影補助として診療放射線技師の業務が拡大され,救急医療においてその必要性がアンケート調査により明らかになっている。今回,読影能力テスト(CT 画像)を岐阜県下45名の技師に対して行ない,読影能力の確認および読影能力向上因子の分析を行なった。読影能力テストでは,緊急性の高い症例の正答率は高かったが,小さな腫瘍の発見や消化管の腫瘍の認識力が低い特徴があった。全体的に正答率は経験年数と共に若干の上昇を示したが,3 年未満の技師の読影能力が極端に低く,その対策の必要性が感じられた。また,統計分析により,CT 関連各種認定取得者,レポート作成施設およびCT 専任者で読影能力が高く,これらが診療放射線技師の読影能力向上に関わる因子と推測した。