日本農村医学会雑誌
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研究報告
一般病院における認知症ケアの質向上のためのストラテジー立案
平川 仁尚
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2017 年 65 巻 6 号 p. 1188-1193

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抄録

 認知症患者は,入院中にせん妄,徘徊,暴言・暴力など周辺症状を引き起こしやすいため,担当看護師の負担は大きい。今回,一般病院の認知症ケアの質の向上を目的に,そのストラテジーの立案を行なったので報告する。研究対象は,江南厚生病院の副看護部長2名,看護課長1 名,看護係長3 名,医療ソーシャルワーカー2 名,地域包括支援センターソーシャルワーカー1 名,訪問看護ステーション看護課長1 名,院外のケアマネジャー2名であった。データ収集には,フォーカスグループインタビューを用いた。分析方法について,意味の近似性に基づき,抽出されたラベルをサブカテゴリーとカテゴリーに分類した。全カテゴリーについて,座標軸を用いて優先順位の決定を行なった。その最優先課題について討論を行ない,特性要因図で整理した。その結果,認知症ケア専門チームの立ち上げ,認知症ケアへの理解と共感の輪を院内の関係者に広げるための教育,啓発,研修が必要であることが分かった。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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