日本農村医学会雑誌
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症例報告
外傷性横隔膜ヘルニアの2手術例
宮崎 勇希齊藤 礼次郎島田 友幸久保田 洋介洞口 正志川原田 康滝戸 成人石井 大介武富 龍一茂木 はるか榎本 好恭齊藤 研
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2019 年 68 巻 1 号 p. 82-87

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抄録
 外傷性横隔膜ヘルニアの2例を経験したため報告する。症例1は76歳の男性。軽トラックを運転中に乗用車と衝突し受傷した。胸部レントゲン,CT検査にて左胸腔内に腹腔内臓器の脱出を認め,外傷性左横隔膜ヘルニアの診断にて開腹手術を施行した。左横隔膜腱中心に約12cmの損傷を認めたため縫合閉鎖を行なった。症例2は75歳男性。軽トラックを運転中に乗用車と衝突した。胸部レントゲン,CT検査で左胸腔内に腹腔内臓器の脱出を認め,外傷性左横隔膜ヘルニアの診断で開腹手術を施行した。左横隔膜腱中心に約15cmの損傷を認めたため縫合閉鎖を行なった。外傷性横隔膜ヘルニアは比較的まれな病態であるが,手術による治療を必要とするため早期の診断が重要である。また,鈍的外傷による外傷性横隔膜ヘルニアでは高エネルギー外傷を原因とすることが多く他臓器の損傷を合併しうるため,診断および手術の際にはそれらを見逃さないようにすることが重要と考えられた。
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© 2019 一般社団法人 日本農村医学会
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