抄録
2015年12月から2016年9月にかけて秋田県北秋田市で小学生を中心とした百日咳の地域的流行があった。症状から疑われた138例を検査して最終的に74例を百日咳と検査診断した。2018年の届け出基準には特徴的な症状と検査の組合せで62例が該当した。施設別の患者発生経過表から学校内の感染が家庭を経由して地域に拡がっていくことが推察された。保健所と医療機関,教育委員会とで情報共有に努め,流行は10か月間で終息した。百日咳では病初期の感冒様症状から徐々に特徴的な咳になるのが典型的な経過とされていて2017年までの感染症法では「咳が14日以上続く」事が必要だったが,今回の診断症例の26例(35%)が7日未満での受診で14日以内に症状は軽快した。百日咳は一般診療で遭遇する機会は多くはないが,地域的流行がある時には疫学的な情報収集と積極的な検査で早期診断と治療が期待できる疾患である。