抄録
当院では,2014年より心不全に対する包括的心臓リハビリテーションを導入した。導入当初,患者の生活指導率は77%だったが,2017年度は61%と低下していた。心不全に対する日常生活指導に対して看護師がどのような認識を持っているか調査した。当院では独自のパンフレットを使用し,心不全手帳を用いて自己管理するように指導を行なっている。2018年12月に循環科病棟に所属する看護師28名に生活指導に関する意識調査をアンケートにて実施した。結果は,「患者指導を意欲的に行なっている」26名(96%),「達成感がある」21名(80%)であった。「指導にマンネリを感じる」15名(58%)であった。患者指導で最も重点を置いているのは「生活背景の把握」14名,「心不全手帳」9名,「パンフレット指導」6名であり,看護師が主で行なっている項目が多かった。「自分の指導に不安を感じている」と5名(19%)が回答した。意欲的に指導している反面,長年の指導体制でマンネリ化していることがわかった。指導率が低下している原因は,指導に対するマンネリ化や,指導に関する不安であると推測された。今後,指導率の向上のために指導内容の確認,指導方法の見直しをしていく必要がある。