抄録
本報告は,農村過疎地域で在宅介護を担う女性介護者に対して,タブレット端末を利用した遠隔支援についての実際とその有効性を明らかにすることを目的とする。遠隔支援方法は,在宅介護を担う2名の女性を対象にipad Pro®10.5インチを用い,アプリケーションはハングアウトを利用し介護についての相談を1年間実施した。1年間の遠隔支援での相談内容は「要介護者の排泄管理」「要介護者の言動に対する対応」「要介護者の症状に対する戸惑い」「介護サービスの選択」「家族の介護に対する協力体制」であった。また,遠隔支援終了時に,タブレット端末を利用した遠隔支援について半構造的面接を実施した。面接内容は,①タブレット端末の操作に関すること,②介護をするうえで変化があったことであり,面接内容はICレコーダーへ録音し,逐語録に起こしデータとした。データの分析は,Mayring(2000)の分析の手法を用いて質的に分析を行なった。分析の結果,【即時性のある支援方法への期待感】【タブレット操作への適応力】【介護に対する認識の変化】【自己の介護を話す時間の確保】の4つのカテゴリーが抽出された。
タブレット端末を利用した遠隔支援は,顔が見える安心感があり,専門職による支援を受けることで【介護に対する認識の変化】がみられた。また,高齢の介護者でも操作が簡単なアプリケーションを使用することで【タブレット操作への適応力】が早く,【即時性のある支援方法への期待感】を持つことが明らかになった。