日本農村医学会雑誌
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症例報告
進行肺癌の薬物療法中に進行胃癌を併発し治療に苦慮した1例
小林 聡駒屋 憲一高木 健裕前田 孝加藤 真司関村 敦横山 敏之堀 明洋
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2022 年 70 巻 5 号 p. 504-509

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抄録
 症例は80歳,男性。cStage ⅢB非小細胞肺癌と早期胃癌の同時性重複癌と診断された。早期胃癌は経過観察とし,進行肺癌に対し化学療法を施行した。肺癌は免疫チェックポイント阻害剤が長期に渡り奏効する一方で,新たな胃癌が出現し進行癌へ進んだため,肺癌診断後5年目に胃全摘術を実施した。しかし,術後に肺癌の進行を認めたため現在分子標的薬を用い治療を行なっている。今後,高齢化の進行や癌治療の進歩に伴い重複癌症例が増加し,臓器横断的に治療選択や診療を実践できる体制が必要になると思われる。
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© 2022 一般社団法人 日本農村医学会
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