抄録
本研究は,茨城県総合がん対策推進計画における「子宮頸がんセミナー」を受講した看護学生の,受講後における子宮頸がんについての認識について明らかにすることを目的とする。看護学科1年生28名を対象に,「子宮頸がんセミナー受講の学び」のレポート記述内容をデータとし,その記述内容を質的に分析した。その結果,子宮頸がんについての認識として,【正しい知識の獲得】【ワクチン接種・検診への姿勢】【専門職を見据えた自己の役割自覚】【パートナーへの配慮】4つのカテゴリが生成された。
看護学生は,「子宮頸がんセミナー」受講により【正しい知識の獲得】や【ワクチン接種・検診への姿勢】にとどまらず,将来を見据えた専門職として,また個人の生活者としての自己の役割に対する思いを明確にしていた。
子宮頸がん検診は,羞恥心を伴う検査であることから女性の医師を希望していることや,子宮頸がん検診費用の経済的負担が大きいことも明らかになった。今後は,子宮頸がん検診時の環境整備や検診費用の負担軽減への対策が課題である。