日本農村医学会雑誌
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原著
ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)含有ヨーグルトによる認知機能の改善効果に関するパイロットスタディ
木下 徹丸山 広達
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2025 年 74 巻 2 号 p. 61-71

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抄録
 アンチエイジングの素材として活用されているユビキノール(還元型コエンザイムQ10)には,抗疲労,睡眠の質の改善,ストレス低減等の効果があるとされている。本研究では20歳以上の男女232名(男性59名,女性173名,20~89歳)から研究参加への同意を得て,ユビキノール100mgを含むヨーグルト(Q10ヨーグルト)を1日1本,6か月または1年間飲んでもらった。Q10ヨーグルトは参加者が週1回町内に設置した冷蔵庫に取りに来るか,それが難しい場合は地元の高校生らが自宅へ配達した。ベースライン,6か月後,1年後に血液検査を行ない,認知機能,疲労度,睡眠および胃腸の状態を評価した。その結果,男女ともQ10ヨーグルトの飲用により血中ユビキノール濃度が有意に上昇し,認知機能において作業処理能力および注意力が有意に改善した。男女別の分析では,男性において疲労度の有意な軽減が認められ,女性において胃腸の状態のうち便秘症状の有意な改善が認められた。また,年齢別では68歳未満の層において疲労度および睡眠の質の有意な改善が認められた。本研究は対照群を置かない試験デザインであることに留意する必要があるが,Q10ヨーグルトによる認知機能等への効果が示唆された。本研究は測定会の運営およびヨーグルトの配達を地域の市民団体や高校生との協働で行なっており,研究を通じて世代間の交流が生まれるという点においても,社会的意義が大きいと考えられた。
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© 2025 一般社団法人 日本農村医学会
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