抄録
症例は60歳,女性。健診で右下肺野結節影を指摘され当科を受診。胸部CTで両側多発肺囊胞および多発肺結節を認めた。18F-FDG PET-CTでは右肺S 9結節に一致し淡い集積を認め,肺癌を疑い,診断を兼ねて胸腔鏡下右下葉部分切除術を施行した。切除標本でHE染色にて好酸性の沈着物を認め,Congo-red染色陰性,偏光顕微鏡下にアップルグリーン色の複屈折を示さずκ染色陽性であり,結節周囲に浸潤する形質細胞にκ優位の軽鎖制限を認めたため,κ型軽鎖沈着症と診断した。軽鎖沈着症の原因疾患検索のため,膠原病内科および血液内科で精査を行なったところ,シェーグレン病と関節リウマチの診断に至り,抗リウマチ薬の治療で病態は安定している。肺軽鎖沈着症に関しては,定期的な画像検査を行ないながら,経過観察を続けている。膠原病を合併し,鑑別に苦慮した多発肺囊胞と多発肺結節を伴う軽鎖沈着症を経験したため報告する。