日本農村医学会雑誌
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埼玉県の水田皮膚炎に関する研究
(2) 水田棲息の貝類の調査
鈴木 了司小津 茂弘会田 忠次郎武井 伸一沢浦 正三郎
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1973 年 21 巻 5 号 p. 484-490

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抄録
埼玉県中央部より, 東部にかけて水田作業中の農民の間に発生する水田皮膚炎は, 発症水田およびその付近に棲息する貝を調査した結果, ヒメモノアラガイより, Schistosomatidaeに属する吸虫の岐尾セルカリアを検出した。このセルカリアを人体の皮膚上においた場合, 10~20分後には局部にかゆみと共に, 小紅斑を生じ, 一部には丘疹を作り, 水田皮膚炎の症状と全く同じ状態となった。
このことから, ヒメモノアラガイからえた。
本セルカリアの人体の皮膚侵入が, 埼玉県における水田皮膚炎の原因であろうと推定された。本セルカリアの形態についての詳細な検討を行なったところ, Trichobilharziaに属するものと考えられるが, その種の決定については将来の研究にまちたい。
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© (社)日本農村医学会
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