日本農村医学会雑誌
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北海道天北地区大規模酪農婦人の健康調査
杉村 巌松尾 弘文小西 行夫種田 光明
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1985 年 34 巻 2 号 p. 122-128

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抄録

北海道・天北地区は, 北海道でも代表的な酪農地区で, 一戸あたり牧草面積は35ha, 一戸あたり乳牛等の飼育頭数は48頭である。
今度の調査で, 天北地区酪農婦人は, 水田農婦人に比較して農夫症症状を訴える率が高く, また, 貧血の発生率が高いことを知った。
この地区の酪農は, ほとんどが家内労働によってまかなわれており, 従って, 営農規模が大きくなる程, それだけ労働負担も増す。
また, 酪農婦人の労働は通年的で, しかも, 農繁期の水田農婦人の労働時間より一日平均, 凡そ1~2時間も長い。
今後, 食生活の改善, 肩こり, 腰痛の予防やどに積極的に取り組む必要があり, また, 酪農家相互の共同作業などにより, 労働負担の軽減をはかるべきであると考える。

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