日本農村医学会雑誌
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農村地域における水質保全を指向したフェノール除去に関する研究
中村 武夫三好 保棚田 成紀当宮 辰美
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1987 年 35 巻 5 号 p. 917-922

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抄録

農村地域における水質保全を指向して, 排泄物の消毒に用いられるフェノールの6種市販活性炭による吸着除去について検討した。表面pH10.19を示す活性炭へのフェノール吸着量は, 表面pH3.06を示す活性炭へのそれに比べ, 平衡濃度1および10ppmにおいて, おのおの2.17, 1.84倍高い吸着量を示した。平衡濃度が低い領域において, フェノール吸着量は活性炭の表面pHと有意な正の相関関係 (p<0.05) を認めた。フェノールの活性炭に対する吸着量の差は, 活性炭の表面酸性官能基とフェノールとの相互関係に基づくものであることが示唆された。農業排水中のフェノールを吸着除去するさいには, 表面が塩基性を示す活性炭が至滴であることが判明した。

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