日本農村医学会雑誌
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肥満患者における内臓脂肪型肥満といわゆる成人病との関連
大野 恒夫伊藤 恵介村松 弥谷 智満奥村 文美典山田 義明春日井 邦夫重康 敏明物江 孝司永原 鉱二
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1995 年 44 巻 4 号 p. 592-596

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抄録

内臓脂肪型肥満では糖・脂質代謝異常や高血圧症の合併頻度が高いといわれている。今回, 成人病を有する肥満者98人を対象に内臓脂肪型肥満の程度と成人病との関連について検討し以下の結果を得た。
1. 対象者の74%が内臓脂肪型肥満 (V/S≧0.4) であり, 男性では女性に比してV/S比が高値であった。また, 年代別のV/S比は40歳代が最も高値であり, 加齢による増加は認めなかった。
2. 成人病別のV/S比は高脂血症, 糖尿病, 脂肪肝の順であり, V/S≧0.4群ではV/S<0.4群に比し高脂血症, 虚血性心疾患の発症頻度が高かった。
3. 成人病を二つ以上有する群は一つだけの群に比してV/S比が高値であった。
4. アンケート調査にて, V/S≧0.4群では, 運動をほとんどしない人, 肥満歴の長い人が多くみられた。
5. V/S≧0.4群では中性脂肪が高値であり, V/S比およびV値と中性脂肪との間には正の相関が認められたが, S値との相関はみられなかった。

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