患者と問題点を共有しインフォームド・コンセントを図る目的で, 当病棟ではウォーキング・ヵンファレンスを取り入れ, ウォーキング・カンファレンスを患者がどのようにとらえているか明らかにするため, アンケート調査を実施した。対象は, 1994年8月から12月まで当病棟に入院した患老332名中, ウォーキング・カンファレンスを1週間以上経験した患老103名である。アンケート調査の結果, ウォーキング・カンファレンスに対して, 98名の患者に全般的によい評価が得られ, 約90%の患者が自分の思うことや聞きたいことを看護者に話していることがわかった。また, 自分の治療方針に対して82名の患者で理解が得られている一方で, 自分が話をしている時に同室者が気になるという意見が27名の患者に認められた。これらの結果からウォーキング・カンラァレンス導入によって, 患者との問題点の共有とインフォームド・コンセントを図るという我々の当初の目的は達成されたものの, プライバシーの保護への配慮が今後の問題点であると考えられる。