日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
超音波による踵骨骨質測定
年齢, 閉経および体格の影響
飯尾 篤西尾 秀博川本 晋竹下 賢治篠原 真貴子芝 以久美二宮 利嘉光宗 知佐恵三宅 隆木村 浩之新山 博彬
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 46 巻 2 号 p. 129-134

詳細
抄録

超音波法による骨質測定を用いた骨粗鬆症巡回検診に参加した女性9,459人, 男性260人を対象とし, 得られた3種類のパラメータ: BUA (超音波の減衰率), SOS (速度) およびStiffness (標準化したBUAとSOSの平均値) は, 女性では測定した最も若いグループ (15~17歳) で最高値を示し, 各々116±9, 1,572±23および97±11, 男性ではSOSとStiffnessは最も若い15~16歳, BUAは22~29歳で最高値を示し, 各々1,590±20,107±11,124±14であった。これらパラメータは, 年齢の増加とともに減少し, Stiffnessの減少率は, 女性では51~55歳の間が1.0%/年と最大であった。またStiffnessやSOSの加齢による減少に比べBUAの減少は軽度であった。
閉経後の3つのパラメータの減少率は最初の5年間が最も大きくStiffnessで2.0%/年であった。閉経の遅かったグループ (53歳以上) の骨量は, 閉経の早かったグループ (45歳以下) に比べて, 50歳代後半から60歳代後半で有意に高く, 70歳代以後では有意差が認められなかった。
また各パラメータと身長, 体重, 肥満度との間には, SOSと肥満度との間を除いて, 全て有意な正相関が認められた。

著者関連情報
© (社)日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top