日本農村医学会雑誌
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重症肥満とその治療
川村 功
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2002 年 51 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

米国をはじめ西欧諸国では, 近年とくに重症肥満の増加が著しく, その対策として積極的に外科治療法を導入している. 我が国では幸いにも, 肥満の問題は比較的大きくなかったので, 重症肥満に対する認識さえも殆ど必要がない程であった. 然るに最近になって肥満の増加が著しくなると, 重症肥満も増えてきており, その認識と共に, 対策が求められる事態に至っている. 本邦で肥満とはBMIが25以上のものをいうが, この内で何らかの疾病, 障害が引き起こされていて, 医学的に減量を求められるものを, 肥満症という. さらにその中で, BMIが40以上の高度肥満で, 合併する疾病・障害が複数あり, 重症化していると重症肥満と診断され, 早急に積極的な治療を求められる. 重症肥満の対策としては, まずそこまでに至らないように予防することが最も重要である. 重症肥満に至ると, 死亡率がたかくなり, 通常の内科的治療では難治性であり, 再発すなわちリバウンド現象が起きやすいことが問題となるため, 症例によっては胃縮小術, 胃バイパス術などの外科治療法が導入されるべきである.

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