リハビリテーション医学
Online ISSN : 1880-778X
Print ISSN : 0034-351X
ISSN-L : 0034-351X
原著
小児の脳外傷による高次脳機能障害の特徴
—当センターにおける症例の比較検討—
栗原 まな千葉 康之小萩沢 利孝衛藤 義勝
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 43 巻 8 号 p. 531-536

詳細
抄録

当センターにおいて脳外傷後遺症に対するリハビリテーション(リハ)を行った受傷時16 歳未満の症例のうち高次脳機能障害が認められた39 例と認められなかった43 例について比較検討した.受傷原因は高次脳機能障害がある群で交通事故が有意に多く(p <0.01),転落·転倒·落下物が有意に少なかった(p <0.05).急性期の意識障害の程度も高次脳機能障害の有無と有意な関連性をもち,高次脳機能障害がある群でGlasgow Coma Scaleは有意に高かった(p <0.05).脳損傷の種別では硬膜下血腫,びまん性軸索損傷などが多かったが,高次脳機能障害の有無との関連は認められなかった.また高次脳機能障害のある39例についてみると,症状は記憶障害,注意障害,感情コントロール低下,遂行機能障害,対人技能拙劣の順に多かった.

著者関連情報
© 2006 社団法人 日本リハビリテーション医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top