当センターにおいて脳外傷後遺症に対するリハビリテーション(リハ)を行った受傷時16 歳未満の症例のうち高次脳機能障害が認められた39 例と認められなかった43 例について比較検討した.受傷原因は高次脳機能障害がある群で交通事故が有意に多く(p <0.01),転落·転倒·落下物が有意に少なかった(p <0.05).急性期の意識障害の程度も高次脳機能障害の有無と有意な関連性をもち,高次脳機能障害がある群でGlasgow Coma Scaleは有意に高かった(p <0.05).脳損傷の種別では硬膜下血腫,びまん性軸索損傷などが多かったが,高次脳機能障害の有無との関連は認められなかった.また高次脳機能障害のある39例についてみると,症状は記憶障害,注意障害,感情コントロール低下,遂行機能障害,対人技能拙劣の順に多かった.