リハビリテーション医学
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心筋梗塞患者の入浴
体を洗う動作および入浴温度の影響を含めた検討
井上 幸一長谷川 武志荏原 包臣桑原 敏樹藤田 良範新谷 博一
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キーワード: 心筋梗塞, 入浴
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1988 年 25 巻 2 号 p. 93-104

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抄録

心筋梗塞回復期の男性患者54名に入浴の負荷試験を日常と同じ体を洗う動作を加えて行い,同時に40℃と42℃とを比較し,入浴の安全性と適温について検討した.PRP (pressure rate product)は温浴直後と洗う動作で増大し,心電図変化はST偏位が温浴と洗う動作で,期外収縮が温浴直後に多く出現し,1回心拍出量を表すPEP/ETは温浴で低下し,これらの変化は40℃より42℃で大きかった.
臨床経過や検査成績を軽症と重症に分け比較すると,急性期Peelの予後指数10以上の例,リハの心合併症出現例,運動負荷試験の成績不良例,筆者らのHolter DCGの分類3以上の例など重症な例では,入浴時に心電図変化の出現が多く注意を要した.一方,軽症例では変化が少なく安全と考えられた.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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